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ランドスケープ研究87(3) ランドスケープDX

日本造園学会誌『ランドスケープ研究』87巻3号を11月に刊行しました。

特集:「ランドスケープDX」
Digital Transformation in Landscapes

2023 年度日本造園学会全国大会の公開シンポジウムでは,ランドスケープ分野におけるデジタルトランスフォーメーションの広がりと未来について活発な議論が展開された。ここでは,デジタイゼーション,デジタライゼーション,デジタルトランスフォーメーションの枠組が示され,デジタルトランスフォーメーションとして新しい価値を創造することの革新性が議論される一方,デジタイゼーションやデジタライゼーションとして現場のニーズを新たな技術によってどのように解決していくのかという視点の重要性も指摘された。

本特集はこのような議論を受け,新たな技術を活用したランドスケープの取組に関わられている様々な立場の筆者の皆様に,

①新たな技術によってランドスケープの現場のどのようなニーズが解決されてきたのか
②どのようなニーズが解決されておらず技術的に対応する必要性があるのか
③これまでになかったどのような新しい価値が創造されてきたのか
について論考いただいた上で,今後の技術革新がますます劇的に進んでいく中で,ランドスケープに学術的・実務的に関わる人間が,技術サイドにどのようにアプローチし,連携していくことができるかについて提言いただくことを企画したものである。

総論では,2023 年度日本造園学会全国大会の公開シンポジウムに登壇された村上氏に,デジタイゼーション,デジタライゼーション,デジタルトランスフォーメーションの考え方について改めて整理いただいた。

さらに,ランドスケープにおけるDX は本来的にはシームレスに展開するものであろうが,本特集では様々な技術を集積しやすいと考えられるエリアマネジメントスケールと公園スケールに着目した。

第1部では,エリアマネジメントスケールを対象に,先進的な取組が行われているエリアとして,中条氏に東京都千代田区大手町・丸の内・有楽町地区における取組,高取氏に福岡県福岡市都心部における取組に基づき論じていただいた。

第2部では,公園スケールを対象とした。最初に,2022 年に国土交通省都市局が開催した「都市公園の柔軟な管理運営のあり方に関する検討会」より発表された「都市公園新時代~公園が活きる,人がつながる,まちが変わる~」及びここで示された公園DX の考え方について,曽根氏に紹介いただいた。また,自治体行政の現場の視点から,横浜市の公園におけるデジタル技術の活用状況と課題について今村氏に整理いただいた。その上で,公園DX のあり方について,行政,民間,学術の視点を交え,一言氏,深澤氏,山崎氏に様々な角度から議論いただいた。

(特集担当:根岸勇太)

 

目次

解題

〇特集「日本庭園の継承と発展」にあたって
粟野 隆

総論

〇ランドスケープ分野におけるDX
村上暁信

報告

〇地域価値向上に向けたICT 技術の活用について- “ 大丸有環境アトラス” と“TOKYO OASIS” の取り組み-
中条瑛子・植田直樹・松井宏宇・桂島 一

〇福岡市都心部における回遊・滞留・交流行動の促進に向けた公共空間マネジメント
高取千佳

〇「都市公園の柔軟な管理運営のあり方に関する検討会」提言について
曽根直幸

〇公園管理におけるデジタル技術の活用について
今村 隆・江畠直輝

座談会
〇公園DX を進めるにあたって,公園・ランドスケープ業界の人間は,どのような場面・場所で誰と組めばよいのか
一言太郎・深澤幸郎・山崎嵩拓・根岸勇太

 

※発刊からおよそ3か月後に、執筆者の許諾が得られた記事はJ-STAGEにて公開しております。