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ランドスケープ研究86(4) 在来の草本植物を用いた植栽事業の現状と可能性

日本造園学会誌『ランドスケープ研究』86巻4号を刊行しました。

特集:「在来の草本植物を用いた植栽事業の現状と可能性」
Current status and potential of planting projects using native
herbaceous plants

道端のタンポポや秋の月見に登場するススキ,花粉症の原因となるブタクサまで,草本植物は,好まれる,好まれないは別として,私たちにとって身近な存在である。草本植物は従来,公園,庭園,都市,農村,緑化空間など多様な空間において積極的に植栽され,さまざまな形で利用されてきた。このような場所では,それぞれの目的に適した適切な草種が,在来種,外来種の区別なく用いられてきた。一方近年では,生物多様性への関心の高まりや企業のCSR などの理由で,地域に元来生育する在来植物の利用が求められ,在来種を積極的に利用する機運も高まっている。しかしながら,在来種利用には様々な特性の制約がある。たとえば緑化分野のように,利用範囲が限定される場面も少なくない。利用される用途や目的に応じて,在来植物の植栽の現状や現有の課題,今後の見通しは大きく異なると考えられる。

本特集では,在来の草本植物利用の場面として,都市緑化・都市デザインにおける利用,環境調整機能向上のための利用,生物多様性向上に向けた利用,各種機能の複合的利用などを取り上げ,在来の草本植物を用いた植栽のこれまでと現状の実施例を紹介する。また,在来草本植物の利用が進む海外の事例について紹介し,日本への適用の課題について整理したうえで,在来の草本植物利用の可能性について展望する。

(編集担当:山田 晋・エルミロヴァ マリア・大黒俊哉)

 

目次

総論

〇在来の草本植物を用いた緑化の現状と可能性世界自然遺産登録に向けた道のり
大黒俊哉・山田 晋

各論

〇野の花マットによる都市デザインと園庭の可能性
仲田茂司

〇野原を都市につくる理由
三島由樹

〇在来種チガヤを用いた河川堤防の植生管理
山本嘉昭・服部 保・宝藤勝彦

〇地域性種苗の緑化普及を目指した取り組み -阿蘇の草原植物の活用と地域活性化
中村華子・今西純一・入山義久・内田泰三・小野幸菜
橘 隆一・田中 淳・津田その子・中島敦司・吉原敬嗣

〇土木工事における在来植物を用いた緑化事例と課題
高山晴夫

〇屋上緑化空間における半自然草地の創出
木村保夫

〇都市再開発における在来植物植栽
板垣範彦

〇宮崎県綾町におけるナチュラリスティックな植栽の取り組み
平工詠子・河野円樹・田牧 良

〇世界における在来植物を活用したデザイン
イグナティエヴァ マリア

〇イギリスの農村・都市空間における草原性在来草本の植栽利用の考え方と手法
山田 晋

※発刊からおよそ3か月後に、執筆者の許諾が得られた記事はJ-STAGEにて公開しております。
https://www.jstage.jst.go.jp/browse/jila/86/4/_contents/-char/ja