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会長からのメッセージ

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様方に対し、心よりお見舞いを申し上げます。また、福島第1原子力発電所における重大事故による深刻な事態が続いているなかで、人命救助、被害者の救済、がれきの除去、インフラの復旧等にあたられている方々に対し、心より敬意を表するとともに、被災地の皆様の日常生活への一刻も早い復旧をお祈り申し上げます。

社団法人日本造園学会は、いち早く理事会内に「復興支援調査委員会設立準備室」を立ち上げ、人的被害が甚大であった東北地方の会員各位の安否確認と震災被害情報の収集につとめるとともに、被災地の復旧状況を踏まえつつ調査の実施に向けた企画と体制づくり、情報の提供・発信の方策の検討を行ってまいりました。引き続き、社団法人日本造園建設業協会等と連携しながら、復興支援調査委員会を運営していきたいと考えています。

また、建設系7学協会の一員として、総理大臣、国土交通大臣、防災担当大臣等、政府ならびに関係機関に対して、被災地の「暮らしと経済の復興」を実現するために、協調・連携して多様な支援に取り組む等の共同アピールを行いました。さらに、日本学術会議内に設置された「東北関東(東日本)大震災学協会連絡会」にも参加し、震災の実態解明と復旧・復興への提言に貢献したいと考えています。

この度の巨大な地震・津波の被害は、東北・関東地方の広い範囲に及び、とくに東北地方の沿岸部では、市街地とともに、農村や漁村において壊滅的な被害が引き起こされました。私たちは、日本造園学会の構成員として、これらの被災地域の復旧・復興への貢献はもとより、さらには陸中海岸国立公園を含む風光明媚な風景が受けた計り知れないダメージに思いをはせ、こうした貴重な地域資産の回復についても震災復興の一環として取組むことが重要であると考えております。

私たちは、いま、学術界もまた試練に立たされていると認識しています。自然科学、人文社会科学の敷居を超えて、総合的な立場からこの歴史的な巨大災害からの復興を目指す統合的アプローチが真に求められています。日本造園学会は、「ランドスケープ再生を通じた震災復興」を大きなテーマに掲げ、今後の学会運営を行っていきたいと考えています。会員各位をはじめ関係の皆様方のご支援・ご協力を心よりお願いいたします。

平成23年3月30日
社団法人日本造園学会
会長 武内和彦